『傷寒論』②風邪の入り口
今回の話は超マニアックな内容です。
興味ある人は読んでください。
『傷寒論』で面白いのは、風邪には入り口が2つあると書かれていることだ。
傷寒論では背中の上の部分を「表」と呼び、お腹を「裏」と呼ぶが、風邪の入口は表、裏の2つである。
風邪は体力のある人は背中(表)から入り、体力のない人はお腹(裏)から入る
背中から風邪が入る?お腹から風邪が入る
これはどういうことだろう?
なぜ古代中国人は、このように考えたのであろう?
これは私見ではあるが、背中(表)というのは扁桃の反応ではなかろうか?
扁桃はのどにあるリンパ組織で、ウイルスや細菌などがからだに侵入しないよう防御する役割を担っている。
ツボに「風門」というツボがあるが、表(背中)にあり風邪で喉が炎症を起こすと張って硬くなる。
風邪を引いて扁桃に反応がでて背中が張って硬くなる人がいる。
また、扁桃で防御できなく反応がなく背中も張らない人もいる。
扁桃で防御できる人は体力のある人であり、防御できない人は体力のない人である。
つまり
体力のある人→扁桃腫れる→背中が張る→背中が入口
体力ない人→扁桃腫れない→背中張らなく胃腸にくる→お腹がが入口
私は傷寒論における風邪の入口というのはそういうことなのだろうと考えている。
傷寒論では、それぞれのタイプの経過に合った漢方薬が記載されている。
「葛根湯」は体力があるタイプの人の薬である。
「葛根湯」は表(背中)を温める薬であり、原料は葛の根である。葛餅に使われる葛(くず)である。
表を温める薬なので首凝り、肩こり、五十肩などの症状ななも有効なのである。
現代医学的に考えると上記の通りだが、古代人は現代人よりもはるかに直感に優れていただろうから、別の意味もあるかもしれない。