整体狂時代(6)型、構え
整体においては「型、構え」は基本にして最重要ポイントである。
「型、構え」とは、操法するときのフォームである。
例えば武道では型、構えをまず最初に習うが、整体も同じである。
相手とのポジション、呼吸の間、着手のタイミング、手を当てる位置、手の使い方、力の流し方など完璧になるまで練習する。
そして整体道場にある程度通うようになると、型、構えを見ただけで術者の熟達度がわかるようになる。
見ていて「決まっている!」と見える人は硬結を取れている。逆に「決まってない」と見える人は硬硬を捉えてない。
型、構えができていないと正しい硬結を捉えることができないのだ。
逆に型、構えがしっかりできていれば、硬結は自然と親指の下に当たってくるという。
井本整体では型、構えの練習で「手の三里」の硬結を取る練習がある。
整体の「手の三里」は腕(前腕伸筋群)にあるのツボを使い、その硬結をとり、体全体に響かせる技術である。
単にその場所を押さえれば良いというものではなく、相手とのポジション、呼吸の間、自分の体の使い方、正しいツボの位置、正しい手の使い方ができてないと体全体には響かない。
練習では「手の三里」だけで2時間以上練習し、その場所が内出血を起こしたこともあった。
「型、構え」は繰り返し練習して体に覚えこませやっと習得できるものだと思う。
整体道場では先輩と組になり練習するのが、厳しい先輩にはまだ手を触れる前、座って、さあやろう!とする時に「はい、やり直し。」と言われることもあった。
座る位置、構えができていないのだ。
これは経験を積むと分かるようになるが、上手い人と組むと座って構えられた瞬間に「来る!」と感じる。
そしてもっと感性が高まるともっと凄いのだが、それは後で別に書きます。
素人は触って説明されても取れない硬結が、達人になると人が練習しているのをみて硬結を取るのを誘導できるようになる。
もっと凄くなると見なくても感じるようになる。
そして型、構えができると、操法を何時間やっても疲れない。
よくマッサージをやって「疲れた〜」と言う施術者がいるが、その人は基本ができてないのである。
正しいフォームで行えば何時間マッサージしても疲れない。
施術で疲れてるうちは三流であり、その効果も三流である。
正しく硬結を響かせるには、術者が脱力してなければならない。術者が力んで力で押していると、受け手の表層筋も緊張して中には響かない。