マッサージ編⑦心の持ちよう
バイトのマッサージ渋谷2号店がオープンし私も配属になった。
オープンし2週間ほどは暇だったが、雑誌の取材が入ってからは激混みになった。
そこのマッサージ店は渋谷にあり、オシャレなマッサージ店だったためよく雑誌の取材をされていた。
何回かTVの取材もあった。
当時はネットがなかったので、東京の情報は「東京ウォーカー」などのタウン誌しかなかった。
そういうタウン誌のお店紹介ページによく載っていたのだ。
しかし、雑誌に載っても忙しいのは3週間ほどであり、それを過ぎるとパタっと客足が止まるのを経験した。
雑誌を見てくる人は常連にはならないのである。
そんな感じで渋谷2号店も1号店同様に、常連さんというより1回きりのお客さんが多かった。これは渋谷の街の特徴だろう。
そらから、渋谷2号店では半年ほど働いた。
私は渋谷は学校から近く、ずっと渋谷店が良かったのだが、半年くらいして銀座店が新しくできることになり私はまたも銀座店のオープニングスタッフ配属になり、渋谷2号店を去ることになった。
私が渋谷2号店を去った数ヶ月後、銀座店にヘルプで来た渋谷2号店のあるスタッフから
「高橋君がいた時は、マッサージに皆んなが率先して入って元気あったのに、今はジャンケンで負けた人が入るんだよ。なんだか雰囲気暗くて。高橋君はいつも元気だよね。なんで?」
と聞かれた。
まさか「天風哲学の実践者だからさ!」と答えても分からないし説明するのも面倒なので
「いつも心に太陽があるからだよ!」
と言ったら
「なにそれ?」
と笑われた。
私はバイトに行ったら率先してマッサージに入るようにしていた。
先に入ろうが後から入ろうがマッサージに入る人数はたいして変わらない。
それなら率先して入った方が気持ちがいい。
誰かが率先して仕事をすると次から他の人が率先して仕事をするようになり、職場の雰囲気が前向きになる。
中村天風氏はこう言う。
「好きな人のためだったら重い荷物を持って階段を登っても疲れないが、嫌いな人のためには紙一枚持っても疲れる。すべての心の持ちようなのだ。心に負担をかけなけらば疲れるなんてことはない。」
嫌だ、嫌だと思って仕事をしていると疲れる。
楽しんで仕事をしてれば疲れない。
仕事は1日のほとんどを時間を過ごす。
また、それは人生の長い期間を過ごす。
嫌だと思って疲れた人生を過ごすのか
楽しんで楽な人生を過ごすのか
全ては心の持ちようである
誰のせいでもない、全ては本人の心の持ちようなのである。
つづく。