『傷寒論』勉強会
開業した年の7月頃〜12月にかけて『傷寒論』の勉強会をうちの整骨院でやっていた。
傷寒論は後漢末に張仲景によって著されたもので、黄帝内経とならぶ中国医学四大経典の一つであり、日本で医学経典として長く支持されてきた書籍てある。
外感病(今でいうインフルエンザなど)の経過とその漢方薬が主に書かれている。
有名な葛根湯、麻黄湯、小青竜湯なども傷寒論が元になっている。
鍼灸師が何故、漢方薬の本である傷寒論を勉強するの?と思われるが、外感病に対応する鍼灸を学ぶためである。また外感病だけでなく内傷病(内臓疾患)にも応用できる。
漢方薬では葛根湯が有名で「風邪の初期に葛根湯!」と言われているが、実は傷寒論で葛根湯が出てくるのはそれほど初期ではない。
また症状別に薬が分かれていて「風邪の初期に葛根湯!」と言うのは非常に雑ないい方であると思う。
ちなみに勉強会をやるきっかけは、鍼灸師の元同僚に
「傷寒論の勉強会をやりたいんだけど、場所がなくて高橋先生の整骨院を使わせてくれない?」
と言われたことだ。
勉強会は金曜夜8時からだったが、私も興味があったので快諾した。
講師は天下の「北辰会」藤本蓮風先生の「藤本漢祥院」で内弟子をされたR先生。
勉強会には20名ほど集まり、R先生の講義を熱心に聞いていた。夜8時過ぎから始まり12時を過ぎることもたびたびあったが、皆、学ぶ事に夢中で時間など気にしていなかった。
私は場所を提供してるので休むわけにいかず全て出席した。
金曜の夜に飲みにも行かず、漢方古典を勉強してるなんて奇特な集団だったが、今となってはいい思い出である。