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整体狂時代(3)人の触り方 | 春日部市で整骨院なら高橋はりきゅう整骨院|鍼灸・腰痛

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整体狂時代(3)人の触り方

2023.10.31 | Category: 院長ヒストリー

これは2006年から2011年の約5年間、私が34歳から38歳の頃、整骨院を開業して6年ほど経った頃の話である。

井本整体の初等講座、最初は毎週日曜に行った。
(途中から水曜にH先生の初等講座もあったので、水、日曜で行くようになった。初めはどちらかしか出席できないものと思っていたが、両方出席しても良いシステムなのが分かり両方出席した。)

日曜、初等講座に参加した初日。

前述したが、初等講座の初めの三ヶ月は「腹部一二調律点」であり腹部の施術を主に行った。

講座は、最初20〜30分ほどの座学があり、それから実技練習に入る。
実技練習は2人組になり、お互いに実技を行い感想を言いあう。終了すると手を挙げて、他の終わった組と入れ替えをして再び練習する。

初等講座に参加していたのは60〜80人ほどいたが、その生徒の8割は先輩であった。
井本整体では一度受講した講座は何回でも出ても良く、生徒は何度も受講して技術を高めるシステムになっている。
そこが学校ではなく道場なのだ。
武術と同じで繰り返し練習することで体感で会得していく技術なのだ。

 基本的に初めての生徒は先輩と組み、指導してもらう。

初日、私も何人かの先輩と組み練習させて頂いた。

しかし、ある一人の先輩から
「あなたは人を物扱いしてます。触り方が雑過ぎます。もっと丁寧に優しく触らないとダメです。」
と、厳しいことを言われた。
(えっ!物扱い?どういうこと?)
「はあ、すいません。」
とだけ言った。
根が鈍感なのでたいして気にしなかったが、初日ということもあり少し面食らった。

これは今だから言えるが、人に触った事がない素人は最初は緊張して慎重に触る。
 先輩は新人だと思っていたが、妙に慣れて雑に触るものだから厳しく言ったのだろう。ちなみにその先輩はその後もっと厳しい先輩がいる中、優しい先輩であった。
 
 私は整骨院では1日中、1日8時間ほど人の体を触っている。慣れているというか、慣れすぎている。当時の私はそこに雑さもあったのだと思う。

「触診の丁寧さ」
これは、井本整体で身につけた技術の一つである。

 井本整体を卒業してからいくつかの勉強会に行ったが、どこに行っても実技になると
「高橋さん、上手いですね。」
と言われる。

治療家の実力は触られた瞬間に分かる。
触り方で「この人はやるな!」とか「この人は下手だな。」とか分かる。

井本整体では着手(手を触れる瞬間)を大事にする。

着手には、触れる箇所、タイミング(呼吸の間)、圧度などが重要になる。
 訓練された治療家は、それらを考えないで行う。
 意識しないで「手」が勝手に相手の欲しい箇所に行くのである。ふっと手を置いた箇所に「硬結」があるのである。
 そういう練習を整体では行う。
 
私も井本整体に入る前に臨床を15年ほどやっていたが、経験上、これはそういう練習をしないとできない。
ただ長く臨床をやっているだけでは、雑な治療家は雑なままである。