腰痛高校生④バラコン療法
高校2年生になっても腰痛は相変わらずであった。
当時は今みたいにネットもない時代だったので、雑誌や本で腰痛に効果のある治療法を自分で探し始めた。
本屋で当時流行っていた腰痛に効くという「バラコン療法」を見つけた。作者は故五味雅吉(ごみまさよし)氏。
本を読んでみると五味さん自身が慢性の腰痛で苦しんでいたが、ある日、同僚に仙骨に乗ってもらったところボキっ!という音がして腰痛が治ってしまったそうだ。それから腰痛を研究し「仙腸関節のズレが腰痛の原因になっている」と発見。
仙腸関節のズレを治すバランス・コントロール(バラコン)療法を確立した。そして腰にゴムバンドを巻いて仙腸関節のズレを治すバラコン体操も創作された。
当時は五味さんの本が本屋に何冊もあり私も数冊買った。
そして、その本の裏に各地の「バラコン治療院」が紹介されていた。早速、自宅から一番近い越谷の治療院に予約して行ってみた。
治療院は普通の1軒家だが、家自体が治療院として使っているらしかった。1階が待合室で2階が治療室になっていた。
治療は床にうつ伏せに寝て片足を先生が持ち上げて仙腸関節を足で調整するのがメインの調整法だった。それ以外には腰部、腹部の指圧もやってもらった。
バラコン治療院は、患者さんがたくさんいてとても忙しそうだった。先生も疲れているように見えた。
治療を受けてどうだったかと言うと、あまり効果がなかった。帰りにバラコンゴムを買って自宅で体操もしてみたが、特に腰痛は改善しなかった。
3回ほどいったが、結局楽にならず私には合わなかったのかもしれない。
ちなみに仙腸関節のズレを治すという治療法は、後年、医師の博田節夫先生が提唱したAKA療法(関節包内療法)の代表的な手技としても有名になった。
一時期、AKA療法が流行った時があり、特に柔道整復師の先生達が皆んなやっていた。
私も教わってやったが、効果は微妙であった。
ちなみにバラコンゴムバンドは、今は骨盤に巻く「骨盤バンド」として病院、整骨院に広く普及している。
ただ厳密にいうと、五味先生のバラコンゴムバンドは生ゴムのチューブ状のものである。それに対して普及している「骨盤バンド」は12cmくらいの板状のゴムバンドである。
つづく。