腰痛高校生⑧ひどい鍼灸院
高1の6月から特に原因なく腰痛になってからそのまま腰痛は治らず、気がつくと高3の12月になっていた。
病院に行っても「異常なし」と言われ、いろいろな治療を受けたが効果なく
「このままずっと腰痛は治らないのでは。」と将来に希望も持てないまま高校生活も終わろうとしていた。
学校は高3の12月になると受験前になり午前だけで終わる日も多くなっていた。
午前で終わるので時間に余裕ができ、なんとなく心にもゆとりを感じられた。
そんな時分からか、以前父から紹介された鍼灸院に行ってみようかなと思えるようになった。
その鍼灸院について父は会社の人から「凄く患者さんが多くて、とても鍼が上手い先生だよ。」と聞いたようだ。
父からその鍼灸院を紹介されたが、私は以前鍼灸を受けたが全く効果がなかったので行く気がしないままであった。
その鍼灸院の住所は、私の机の引き出しの隅に小さなメモ書きでしまわれていたが、いつ無くなっても気づかないくらいに存在さえも忘れかけていた。
そんな状態であったが、何かで引き出しを開けた時、その紙がなんとなく気になった。
「時間もできたし行ってみようか。」と高3の12月、思えたのだ。
後日、学校が半日で終わった日に友達と昼ご飯を駅で食べてから一人で鍼灸院に向かった。
鍼灸院は都内だったが、埼玉寄りであり電車も乗り継ぎなしで40分ほどで着くところだった。
住所と鍼灸院名しか分からなかったが、とりあえず近くの駅で降りてタクシーで行けばいいやと思い向かった。
駅に着きタクシーに乗り鍼灸院の住所に向かったが、それらしい鍼灸院がない。
困っているとタクシーの運転手さんがいい人で、近所の人に聞いてくれた。近所の人の話では鍼灸院は少し前に近所に移転したそうだ。移転先を聞き、そのままタクシーで向かった。
鍼灸院に着いたのが、午後の診察が始まる少し前でちょうど良い時間だった。
受付を済ますと
「中に入ってパンツだけになって仰向けで待ってて下さい。」
と助手らしき人に言われた。
言われた通りパンツだけになってベットに寝て待っていた。季節は12月で部屋の暖房はついていたが寒い。
そのまま待っていたが、、
20分、、まだかな?寒いな。。
30分、、まだ来ない。まだ(怒!)寒い。
40分、、まだ来ない。何ー!寒い!
50分、まだ来ない。どうなってるのー!?
パンツ一丁の格好をさせておいて寒い中いつまだ待たせるんだ!!と完全に頭に来ていた。
(これは今思えば助手のミスであり先生は悪くなかった。ちなみにこの助手を見たのはこの時のみで以降見ることはなかった。)
1時間ほど経った頃、5台ほどあったベットは患者さんで埋まっていた。
それから先生らしい人がやっと来た。
完全に頭に来ていた私は
「ずっと腰が痛くて治らないんです!」
とぶっきらぼうに言った。
先生は冷静にお腹を触って
「腸が悪いね。君、腸を治さないと一生治らないよ。」
と言うが早いか、お腹に鍼を何本か刺してスーといなくなってしまった。
それから10分ほど後に助手が鍼を抜きに来て、次にうつ伏せになった。
また先生が来て肩から腰に無言で鍼を刺してスーといなくなった。
10分ほど経った頃、助手がきて鍼を抜いて
「今日は終わりです。」
と治療は終わった。先生と話したのは最初の一言だけであった。
治療室は来た時はあまり人がいなかったが、帰りはずいぶん人がいることに気づいた。
しかし私はそんなことより「こんな鍼灸院、二度と来るもんか!」と完全に頭に来て鍼灸院を出た。
帰りの道で腰が軽い気がしたが、治療後に軽くなるのは何回かあったので
「受けた後に楽になるのは当たり前だよ。寒い中、裸で1時間も待たせて風邪ひいちゃうよ!二度と来るもんか!」
と怒りながら帰った。
つづく。