治療家への道①鍼灸の効果
大学生になってもG鍼灸院に週に一回は通っていた。
G先生に「もっと良くなりますよ」と言われたとおり身も心もみるみる元気になった。
腰痛もすっかり治り、内面も高校の時の暗い陰気な性格から明るく前向きな性格に変わった気がした。
週一回鍼灸を受けるようになり、鍼灸の素晴らしさを毎回実感していた。
鍼灸を受けた後はすごく体が軽くなる。
体中の細胞がみずみずしく生まれ変わったような何とも言えない爽快感を感じることもたびたびあった。
またG先生の鍼を受けるたびに「なんでそこが分かるの?」というように、やって欲しいツボに的確に寸分狂いなく鍼が当たってくる。
「そこそこー!なんで分かるんですか?」って感じだ。
そして刺された鍼が呼吸によって動く事により体中に心地よい響きとなり広がった。
こんな鍼を体感したのは今でもG先生だけである。
G先生はいとも簡単にやっていたが、これは鍼灸師となった今考えると非常に高度な技術である。
反応あるツボを的確に探し、深さ、角度、0.1mmの狂いもなく鍼を刺す。しかもそれを十本以上の鍼、全てで行う。至難の技である。
後に私は井本整体で「硬結」と呼ばれる反応点を探す練習をするが、「硬結」は鉛筆の芯ほど大きさあり、それを指で捉えるのも難しい。場所、深さ、角度を正確にとらえなけらば真の響きはでない。まして、そこに鍼を正確に打つなんて尋常ではない、究極の技である。
しかし、それができたからこそ鍼灸の真の力が発揮できたのだろう。今の私にやれ!と言われてもできるかどうか。。やる努力はしてますが。。
ちなみに私は鍼灸師になり有名な鍼灸師や、偉い鍼灸師はじめ何十人の鍼を受けたが、G先生のような体がリフレッシュされ体中からエネルギーが湧き出すような感覚になったことはない。
ある時は高名な先生の鍼灸を受けに関西まで行ったが、全く楽にもならず何も感じることもなく疲れて帰ってきた。
有名な先生や偉い先生だから実際の治療が上手い訳ではないのだ。そういう先生方はどちらかというと学問に優れていたり、鍼灸師会の活動を頑張っていたりするのだろう。
さて、G鍼灸院では木曜に鍼灸院の1室で気功体操会が行われており、大学生だった私も鍼を受けるついでに参加していた。
そこでG先生とは別のもう一人の恩人M先生と出会うことになる。
気功の会のことはまた後日書きます。いろんな不思議体験があります。
つづく。