鍼灸修行(12)鍼灸学校
鍼灸学校に行ったのは大学3年からのWスクールで、G鍼灸院でバイトを始めた後だった。
鍼灸学校にこだわりはなく、大学に行く途中の渋谷にある学校にした。
大学3.4年は昼は大学、といってもほとんど行かないでG鍼灸院でバイト、夜は鍼灸学校という生活だった。
ちなみに鍼灸学校は3年間である。
3年行った後に国家試験を受けて合格すれば鍼灸の免許がもらえる。
じつは「鍼灸マッサージ」は、それぞれ免許が違う。
「鍼師」「灸師」「あん摩指圧マッサージ師」の3つの免許なのだ。
まれに「鍼だけ受かって、灸は落ちた」なんてこともある。
共通問題と個別問題に分かれていて、両方が合格点に達しないと合格はもらえないないのである。
国家試験の合格率は8割ほどだが、学校の卒業試験を落ちて国家試験を受けさせてもらえない人もいるので、実際に免許をもらえる確率はさらに低い。
そんな鍼灸学校だが、私が鍼灸学校に入って衝撃だったのは、入学した生徒の半分くらいが鍼灸の効果を信じてない!ということだった。
入学して先生が
「鍼灸を受けた事ある人、手を上げてー」
で手を挙げた人は半分以下であった。
「鍼灸なんて効果あるの?」と思っている人も多く、本気で「鍼灸したい!」と思っている人はごく数人に思えた。
「お前らー、何のために学校入ったんだー!」と聞きたくなるばかりであった。
そういう人達は
①柔整(接骨院)の免許だけだと不安だから鍼灸もいちおう取っとく。
②親が医者、歯医者、接骨院で親に勧められた。
③大学に行けなかったから専門学校に来た。
④脱サラで何か手に職をつけようと思った。
などであった。
私は鍼灸の素晴らしい効果を体験し、G鍼灸院で患者さんが治っていくのを見て、やる気満々で入学したので、周囲の鍼灸に対する認識の違いに愕然としていた。
中には親や親戚が医者なのを鼻にかけ、鍼灸を軽んじている人達もいた。
鍼灸学校では解剖、生理、病理、東洋医学、運動学、経絡経穴などを3年間で学んだ。
そして、クラスメートには、数年前NHKのプロフェッショナルに出演した「大高茂」もいた。
NHKで大高を見た時は驚いた。
「え!あの大高?」という感じだった。
大高は学生時代から明るくクラスのムードメーカーだった。
学校で会うと何故かいつもハイタッチをして仲が良く、授業が始まる前にテーピングのやり方を教わった。
彼は堀越高校出身で学生当時から芸能人と交流があり
「高橋さん、〇〇さん(某女優)との食事会に今度呼んであげますよ!」
と何度か言われたが、卒業までついに実現しなかった。
実現しても緊張して気まずくなるだけだから別にいいのだが、。
「大高、今からでも遅くないぞ!!」
つづく。