鍼灸接骨院編⑧肩の脱臼
今回は肩の脱臼を治した話ではなく、私が肩の脱臼をした話です。
柔整(接骨院)の学校では年に1会柔道大会があった。
確か2年生の時の柔道大会だった。
勝ち抜き戦で1人に勝って次の相手と戦った際、タックルのように私が足を取りに行った時、腕を前方に強くひっぱられ右肩を脱臼してしまった。
脱臼したのは初めてだったが、かなり痛かった。
脱臼しそのまま抑え込まれ試合は負けたのだが、最後の礼の時に右手がふとももに付かないので、これは普通じゃない事が分かった。
柔整学校は骨折、脱臼の学校なので、スペシャリストがたくさんいる。
たくさんの人が集まってきてビデオも撮られた。
先生に「どの治し方がいい?」と聞かれたが、
私は「痛くないのでお願いします。」と答えた。
先生は
「せっかくだからあまりやらないやり方やるか?」
と言われ
(せっかくって?なんでもいいから早く治して!)と思い
「はい、お願いします。」と答えた。
ちなみに肩の脱臼の1番簡単な整復法は「ゼロポジション法」だろう。
ゼロポジション法は、脱臼している腕をバンザイのように上げ少し牽引し腕を内旋しながら下ろしていく。
これで脱臼している骨が入るのである。安全簡単なやり方である。
後に肩の再脱臼した際は自分でゼロポジション法をやり1人で治した。
しかし、この時行ったやり方は「コッヘル法」だった。肘を曲げたまま脇から離し腕を内旋しながら肘を反対の肩に向かって上げていくという複雑なやり方である。
「コッヘル法」をしてもらうとガクンっ!という衝撃と共にで骨が元の場所に戻った。
骨が元に戻ると油汗が出るような痛みは無くなったが、まだ痛かった。
肩の脱臼は骨が外れると共に関節包が破れる為、1ヶ月程は三角巾などをして使わない方が良いのだ。
それから2週間は大人しくしていたが暇でつまらなくなり、2週間後からは接骨院の仕事をした。
腕を上に上げない限りは痛みはなかったのだ。
また同僚に鍼をやってもらい鍼を受けると痛みがだいぶ楽になった。
それから1ヶ月も経つと普通に使えるようになったが、完全に回復するのは3ヶ月ほどかかった。
しなしながら右肩の違和感、存在感はこれ以降ずっとある。痛くないし何も不自由もないのだが、他の部分と違って少し冷える感じがする。
東洋医学では大きな怪我をすると「瘀血」(おけつ)という血行不良が起こると言うが、まさにそれだろう。
寒い日などは疼く感じがするのだ。
つづく。