頭痛 頚部のこり
頭痛は大きく分けて①緊張性頭痛、②血管性頭痛(片頭痛)、③重病症疾患に分けられます。
①緊張性頭痛
無理な姿勢の維持や長時間のパソコンの使用などによって頭から肩にかけての筋肉が緊張し血流が悪くなると、乳酸などの疲労物質が筋肉にたまり、これが神経を刺激して痛みを引き起こすと考えられています。特に、首筋の筋肉が弱い人ほど、頭部をしっかりと支えることができずに頭痛を引き起こしやすい傾向があります。
身体的なストレスが無くとも、精神的なストレスのみが原因で頭痛を発症するケースもあります。精神的に緊張した状態が長期間続くと、脳の痛みを調整する部位が機能不全を起こし頭痛を引き起こしてしまいます。
このような、精神的ストレスを原因とする緊張性頭痛には、生真面目な性格や几帳面さを持った人がかかりやすいと言われています。
②血管性頭痛(片頭痛)
何らかの理由で脳の視床下部が刺激されることで、顔の感覚を脳に伝える三叉神経に炎症が起こったり、脳の血管が急激に拡張したりすることで、独特の脈打つような痛みが生じるという説があるが、はっきりとした原因は解明されていません。脳の視床下部は自律神経、睡眠、食欲、女性ホルモンの分泌などをつかさどっていることから、寝不足、寝すぎ、空腹、疲労、ストレス、ストレスからの解放、大きな音、強い光、強いにおい、人混み、気圧・温度・湿度の変化、飲酒や喫煙、女性なら出産、更年期、月経や排卵といった、ふとした日常生活の行動や環境の変化、女性ホルモンの変動などが、片頭痛を誘発するといわれています。ほかにも、電車などの移動中に見る窓越しの風景や、車やバスなどのエンジンの振動も脳の刺激につながるといいます。また、血管を拡張・収縮させるポリフェノールなどが含まれるオリーブオイル、チーズ、赤ワインなどの摂り過ぎも、片頭痛の引き金になることがあります。
片側あるいは両方のこめかみから目のあたりにかけて、心臓のリズムに合わせて脈を打つようにズキズキと痛むことが多いです。個人差があるが、月に1~2度、週に1~2度といった頻度で周期的に起こるのが特徴です。痛みは1~2時間でピークに達して4時間程度で終わることもあれば、3日ほど痛みが続くこともあります。体を動かすと痛みが増し、吐き気、嘔吐、下痢といった症状も伴うため、仕事や家事といった日常生活に影響が出やすいです。人によっては、ギザギザした光が見える、空腹感がある、生あくびを繰り返す、イライラする、手足がむくむといった痛みの予兆があります。
③重病症疾患
頭痛のおよそ8割は、ズキズキと痛む「片頭痛」や、重苦しい痛みの「緊張性頭痛」と言われます。
注意すべきなのは、「突然始まった激しい頭痛」「バットで殴られたような頭痛」です。この場合は、クモ膜下出血が強く疑われますので、一刻も早い治療が必要です。
また、「吐き気が伴う急激な頭痛」にも注意が必要です。この場合も、脳卒中やクモ膜下出血の疑いがありますので、すぐに病院を受診してください。