肉離れ
肉離れとは急に走ったり、全速で走ったときやジャンプをするなのどのスポーツ中によく起こりやすい怪我ですが筋肉が疲れていたり、弱っていたりすると、ちょっとした運動や日常の何気ない動作でも、肉離れになることがあります。
筋肉が強く収縮されるために、筋繊維の一部に損傷が生じたものです。種目では短距離に圧倒的に多く発生しています。その他跳躍、ハードルや中・長距離でも発生しています。
短距離走では、後半の加速をした時に発生することが多く、大腿2頭筋、半腱様筋、半膜様筋のハムストリングスに発生する場合がほとんどです。
中長距離では腓腹筋にもみられます。
サッカーではボールを蹴る動作による大腿四頭筋が損傷しやすく、また内転筋(太ももの内側の筋肉)にもよくみられます。
肉離れを発症したときには「ぶちっ」「ばちっ」という断裂音を自身で感じることがあり、痛みを伴うことが多いです。
肉離れによる痛みには主に以下の3つがあります。
- 伸ばしたときの痛み(ストレッチ痛)
- 押したときの痛み(圧痛)
- 力を入れたときの痛み
痛みの度合いは、肉離れの重症度によって異なります。筋肉が完全断裂しているような重症な肉離れでは、安静にしていても痛みを感じることがあり、時には断裂部の陥凹を触れることもあります。また内出血を起こしている場合には青くなる症状がみられることもあります。
受傷直後はアイシングと、伸縮包帯で圧迫を加え、損傷を最小限に押さえます特に、内出血の拡大を防ぐために受傷直後のアイシングが重要で、出血が拡大することで患部以外にも血腫(血の塊)が増えます。すると、血液が体内に吸収されるのに時間がかかるため、結果的に治療期間が長引く原因となります。3〜5日で痛みが軽くなってきた頃から、患部を暖めストレッチングを始め筋の拘縮を予防します。 さらに少しづつ抵抗を加えながら膝の屈伸動作の訓練をおこないます。膝の屈伸動作がスムースにできるようになったら歩行訓練から徐々にジョギングへ進め、さらに走スピードをアップしていきます。
再発を繰り返すことがあり、慎重に対応する必要があります。
また、肉離れを起こしたあと筋肉を使わない状態が続くと、受傷前よりも筋肉が細くなってしまいます。筋力が回復していない状態でスポーツを再開すると、再び肉離れを発症する恐れがあります。そのため、受傷部分の筋力をしっかりと回復させてから復帰するようにしましょう。大腿周囲径や下腿周囲径を計測し、これらがもとの太さに戻ってからスポーツを再開することをおすすめします。