鍼灸修行(15)中村天風
鍼灸院では月に1回土曜19〜24時で「気」の勉強会が行われていた。
講師は前述したとおりMさんだが、当時、G先生は「中村天風」がお気に入りであり、勉強会でも「中村天風」哲学をやることが多かった。
中村天風をご存知だろうか?
大きな本屋の自己啓発コーナーに行けば、何冊かあると思うが、天風哲学を簡単に言えば「プラス思考」である。
最近、話題になったのは、あの大谷翔平が中村天風哲学の実践者ということだ。
大谷翔平だけではなく、松岡修道、石田純一なども天風哲学の実践者らしい。
松岡修道は、まさに「プラス思考」そのもの、天風哲学そのものだろう。
G先生は私に天風さんの講演のカセットテープをダビングしてくれて
「これを覚えるまで繰り返し聞きなさい」
と言われた。
天風さんの講演のテープはいろいろあるが、私がもらったのは「神人冥合」だったと思う。
たぶん講演の中でも「神人冥合」のやり方が説かれた最高の講演ではなかろうか。
うぶな私はG先生の言われるままに通勤の行き帰り、繰り返し聞き講演の話をそのまま空で言えるほど覚えてしまった。その内容、天風氏のガラガラ声は今でもほぼ覚えている。
中村天風氏の「神人冥合」はヨガの最終奥義であり、天風氏がインドで体得したヨガの最終奥義をなるべく誰でもできるようにしたやり方である。
私は今でも瞑想の中に取り入れてやっている。
「神人冥合」は「無念無想」になる方法である。
天風氏によると「無念無想」になると、宇宙と一体になり、一番「気」が入ってくる状態だという。
これは体験した人でないと分からないが、凄く疲れている時など、この瞑想をすると30分しただけで数時間寝た以上の疲労回復効果がある。
しかも心理的なストレス回復効果も絶大である。
仕事後にすごく疲れていて電車で30分実践し、その後に元気満々になった経験も何度もある。
また、いろいろストレスがある時などは心が軽くなるのを経験する。それはストレスある時にスポーツをしてストレス発散した感覚に近い気がする。
また、天風氏によると「プラス思考」の人にはプラスの気が、マイナス思考の人にはマイナスの気が入ってくると言う。
いつも明るくにこにこしている人は幸福が訪れ、いつもしかめっ面をしてマイナス思考の人はマイナスの結果が訪れる。
幸不幸は自分自身の問題であり、全ては心持ちの結果であると言う。
天風氏の「プラス思考」を絶対的積極心というが、この哲学は天風氏の講演を空で言えるほど覚えてしまった私の血肉となり、今も活きている。
中村天風氏の説明です。
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中村 天風(なかむら てんぷう、1876年7月30日 – 1968年12月1日)は、日本の実業家、思想家、ヨーガ行者、自己啓発講演家。玄洋社社員、大日本帝国陸軍諜報員。孫文の友人であり、中華民国最高顧問の称号も持った。天風会を創始し心身統一法を広めた。本名は三郎(さぶろう)。
学生時代に喧嘩で相手を刺殺、日清日露戦争当時は軍事探偵として活動する。戦後結核にかかり、ニューソート作家の著作に感銘を受け渡米し、世界を遍歴。インドでのヨーガ修行を経て健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるも、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その教えを学んだ各界の著名人の中には、松下幸之助氏など日本を代表する実業家も含まれている。現在は公益財団法人天風会(中村天風財団)が著作等を管理している。
つづく。