Blog記事一覧 > 11月, 2022 | 春日部市高橋はりきゅう整骨院|鍼灸・腰痛 - パート 2の記事一覧
「気」の博物館に行った後の頃だったと思うが、G先生は硬気功に凝っている時期があった。
硬気功とは武術気功とも言い、武術で使われる気功である。
合気道も武術気功を使っていると思われるが、私は合気道はやったことはないので詳しくは分からない。
G鍼灸院では、休憩時間や仕事後にG先生がスタッフに硬気功を行い、スタッフを飛ばしていた。
私も受けたが、受けると後ろに引っ張られる感覚があり自然と体が後ろにもっていかれてしまう。
私も硬気功のやり方をG先生に教わった。
通常の治療の気功は手をあてて「気」を相手の体に浸透させるように行うのに対し、硬気功は自分の中で「気」を溜めて息を一気に吐くのと同時に一点に気を集中し相手にぶつける。
私は友人などにやってみたが、効果が出る人と出ない人がいたが、正直、硬気功はよく分からなかった。
治療気功の方が私に合っていた。
そんなある日、G先生はいつものように仕事後に硬気功をやっていたが、その日は未体験の受付さん(女性35歳くらい)にやった。
受付さんは「怖い、嫌だなー」と恥ずかしがっていた。
私が3mほど後ろに立ち、後ろに倒れてくるのを受け止めるために構えていた。
通常、硬気功は受けると後ろに後退りしながら倒れるので、少し離れた後ろで受け止める人が待っている。
いざ!G先生が受付さんに硬気功を行うと
「あっ!」
一瞬の出来事だった。
受付さんは、後退りしないでその場で回転したように倒れ、頭を床に強打してしまった。
ひとりバックドロップ状態である。
一瞬のことで私も何できないでいた。
受付さんは頭を強打し意識がもうろうとしていた。
その後、病院で検査をしたらしい。
とくに問題なかったが、この事件以来、硬気功はやらなくなった。
そんな武術気功だったが、実際の格闘には使えるのだろうか?
私は本格的にやってないので大きな事は言えないが、実際の格闘には難しいと思う。
塩田剛三のような伝説の武術家になれば可能なのかもしれないが。
つづく。
秋頃だったと思うが、G鍼灸院で患者さん、スタッフの総勢80人ほど、大型バス2台で栃木県にある「気の博物館」に日帰りで行った。
当時は何も考えずにただ旅行を楽しんでいたが、今考えれば鍼灸院でバスツアーを開催するなんて凄いことたと思う。
しかも総勢80人ほどが参加し大型バス2台で行くなんて聞いたことがない。
行き先は「気の博物館」だったが、創設されたのは藤平光一氏である。
藤平光一氏はご存知だろうか?
藤平 光一(とうへい こういち、1920年1月20日 – 2011年5月19日[1])は、東京生まれ栃木県出身の日本の武道(合気道)家。心身統一合氣道の創始者。1969年(昭和44年)合氣道10段。現一般社団法人心身統一合氣道会会長の藤平信一は息子。
であるが、有名なのは世界の王貞治氏に一本足打法を指導し、また当時の巨人軍も指導されていたことだ。
※藤平光一氏に興味ある人は本が何冊も出てるので、そちらをご覧になって下さい。
実際、藤平光一氏がどんな指導をしていたかというと、バッターで構えた際
①肩の力を抜く
②臍下丹田に気をこめる
③重心は全て下に置く
の3つを意識する。
解説すると
①肩の力を抜く
これは上半身は完全に力を抜くということ。上半身が力んでいると体は固くなり上手く動かない。
②臍下丹田に気をこめる
臍下丹田とは臍の指3本ほど下と仙骨を結んだあたり。そこを意識するということ。
これは今風にいえば、ドローインである。
ドローインとは、スポーツ選手が体幹を安定させるために腹部の深層筋(腹横筋)を常に緊張させるやり方であるが、藤平光一先生はドローインが一般的になるかなり前にその重要性に気がついていたのである。
③重心は全て下におく
例えば腕でも意識は下に置く。足でも意識は下。下に置くことで筋肉の力みを無くすのだ。
このやり方は、現代においても全てのスポーツ、格闘技などの重要事項ではないだろうか?
私は仕事でマッサージをするが、マッサージにおいてもこれは重要だと思う。
マッサージする時、自分の力みは相手の緊張につながる。
相手が緊張し表層の筋肉が張っていると、奥の硬結に当たらない。
また、力んでいると自分も疲れる。
マッサージしていて疲れるという治療家がいるが、まだまだ修行が足りないのだ。
マッサージしていて自分の腰が痛いとか、手首が痛いのも体の使い方を間違えている、変な力が入っているのだ。
私は1日9時間くらいマッサージする日もあるが、全く疲れない。もちろん手は抜いてない。
仕事後にスイミングレッスンで1500mほど泳ぐ。
30年間働いていてどこも痛くない。
何の職人でもそうだと思うが、本当のプロは簡単そうに、さらっとやるものである。
体の使い方ができているのである。
さて、G鍼灸院で行った「気の博物館」併設の合気道の道場で、まだご存命であった藤平光一先生のお話も聞けた。
肘のデモンステレーションも披露してくれた。
肘を曲がらないように力を入れた状態で、誰かに曲げさせる。
力で曲がらないように耐えた場合は強い力を加えられると曲がってしまうのだが、肘を伸ばし「腕から気が出ている」と強く意識すると、どんなに強い力で曲げられても曲がらないのだ。
「これが気の力です。」と藤平光一先生はおっしゃっていた。
世界の王貞治さんに一本足打法を指導した先生の言うことである。やってみて下さい、面白いですよ。
帰りのバスでG先生に「高橋、司会をやりなさい。」と言われ一日のまとめを任されたが、口下手な私は上手くできずに結局G先生がやっていた。
「気の博物館」は今もあるのだろうか?
私が行ったのは、もう30年も前になる。
つづく。
鍼灸学校に行ったのは大学3年からのWスクールで、G鍼灸院でバイトを始めた後だった。
鍼灸学校にこだわりはなく、大学に行く途中の渋谷にある学校にした。
大学3.4年は昼は大学、といってもほとんど行かないでG鍼灸院でバイト、夜は鍼灸学校という生活だった。
ちなみに鍼灸学校は3年間である。
3年行った後に国家試験を受けて合格すれば鍼灸の免許がもらえる。
じつは「鍼灸マッサージ」は、それぞれ免許が違う。
「鍼師」「灸師」「あん摩指圧マッサージ師」の3つの免許なのだ。
まれに「鍼だけ受かって、灸は落ちた」なんてこともある。
共通問題と個別問題に分かれていて、両方が合格点に達しないと合格はもらえないないのである。
国家試験の合格率は8割ほどだが、学校の卒業試験を落ちて国家試験を受けさせてもらえない人もいるので、実際に免許をもらえる確率はさらに低い。
そんな鍼灸学校だが、私が鍼灸学校に入って衝撃だったのは、入学した生徒の半分くらいが鍼灸の効果を信じてない!ということだった。
入学して先生が
「鍼灸を受けた事ある人、手を上げてー」
で手を挙げた人は半分以下であった。
「鍼灸なんて効果あるの?」と思っている人も多く、本気で「鍼灸したい!」と思っている人はごく数人に思えた。
「お前らー、何のために学校入ったんだー!」と聞きたくなるばかりであった。
そういう人達は
①柔整(接骨院)の免許だけだと不安だから鍼灸もいちおう取っとく。
②親が医者、歯医者、接骨院で親に勧められた。
③大学に行けなかったから専門学校に来た。
④脱サラで何か手に職をつけようと思った。
などであった。
私は鍼灸の素晴らしい効果を体験し、G鍼灸院で患者さんが治っていくのを見て、やる気満々で入学したので、周囲の鍼灸に対する認識の違いに愕然としていた。
中には親や親戚が医者なのを鼻にかけ、鍼灸を軽んじている人達もいた。
鍼灸学校では解剖、生理、病理、東洋医学、運動学、経絡経穴などを3年間で学んだ。
そして、クラスメートには、数年前NHKのプロフェッショナルに出演した「大高茂」もいた。
NHKで大高を見た時は驚いた。
「え!あの大高?」という感じだった。
大高は学生時代から明るくクラスのムードメーカーだった。
学校で会うと何故かいつもハイタッチをして仲が良く、授業が始まる前にテーピングのやり方を教わった。
彼は堀越高校出身で学生当時から芸能人と交流があり
「高橋さん、〇〇さん(某女優)との食事会に今度呼んであげますよ!」
と何度か言われたが、卒業までついに実現しなかった。
実現しても緊張して気まずくなるだけだから別にいいのだが、。
「大高、今からでも遅くないぞ!!」
つづく。